Ample Guitarの操作方法について(Main mode編)
今回は、ギター音源の中でも根強い人気を持つ、Ample Guitarについて解説していきます。
ギター音源は各社から多くリリースされており、ギターの打ち込みは、他の楽器に比べて、打ち込みによる再現が難しいパートです。
その中でも特に根強い人気を誇る「Ample Guitar」の使い方を学んでいきましょう。
その他のモードについての解説も行っていますので、こちらもご覧になってください。
なお、動画形式でも紹介しておりますので、こちらも是非ご覧になってください。
Contents
Mainパネルセクション
Ample Guitarは、いくつかの打ち込み方法が出来る機能が搭載されています。
コード演奏に適した、Strummer mode
リフフレーズの演奏に適した、Riffer mode
Tab譜によって打ち込みを行える、Tab modeがあります。
本記事は、特に使用頻度が高いであろうMain modeを解説していきます。
アーティキュレーションキースイッチ
Ample Guitarでは、様々な奏法をキースイッチで制御することが可能です。
アコースティックギターの製品、エレキギターの製品、メタルギターの製品によっては制御できる奏法に一部違いはありますが、基本的には同じと考えて問題ありません。
例えば、メタルギターの製品にはタッピング奏法がキースイッチで搭載されているなどの違いがありますので
ご自身が作りたい楽曲に合わせた製品を選択することをオススメします。
C0: SUS(サステイン)
ギターをピッキングしてそのまま伸ばす、基本的な奏法。
デフォルトでは、サステインが設定されています。
なお、サステインで打ち込む場合、ベロシティ値が126以下で入力されたものはサステインとして発音されますが
127で入力された場合、後述するAccentuate Modeで選択したアーティキュレーションで発音されます。
Ample Guitarの製品によっては、ベロシティ値を127にすることで変化する奏法に違いがありますので注意してください。
【POINT】
メタルギターの場合、ベロシティの値でさらに発音が変化します。
● 1~21:フルミュート
● 22~42:3/4ミュート
● 43~63:ハーフミュート
【注意!】
ベロシティ値を127で入力すると、Accentuate Modeで選択したアーティキュレーションで発音されます。
C#0: NH(ナチュラル・ハーモニクス)
C#0を入力後、ベロシティ値が126以下で打ち込まれたMIDIノートをハーモニクスで発音します。
(対応レンジ内に入力された MIDIノートをハーモニクスで発音します)
ナチュラルハーモニクスはギターの構造上、3フレット、5フレット、7 フレット、9フレット、12フレットにポジションしているMIDIノートのみナチュラル・ハーモニクスが発音されます。
エレクトリックギター製品では、ベロシティ値が127のMIDIノートの場合、ピッキング・ハーモニクスで発音されます。
D0: PM(パームミュート)
D0にはパームミュート(別名:ブリッジミュート)がアサインされています。
入力されたMIDIノートのベロシティ値によって、ミュートの強弱が2段階または3段階に変化します。
個人的には、Ample Guitarのブリッジミュートはやや機械的に聴こえてしまいがちですので、何らかの工夫は必要かと思います。
D#0: SIO(スライドイン/スライドアウト)
D#0を入力後、対応レンジ内でMIDIノートを入力すると、スライドインを発音します。
スライドインは、キースイッチが適用された直後の1ノートのみに適用されます。
また、対応レンジ内のMIDIノート発音中にキースイッチが入力されるとスライドオフします。
【POINT】
スライドオフの音量は、キースイッチのベロシティ値に依存します。
また、スライドイン、スライドオフはともに、コードに対しても有効です。
E0: LS(レガート・スライド)
E0を入力後、対応レンジ内において、同一弦上のMIDIノートが重なって入力されると、2つのノート間をスライド奏法で移動します。
同一弦のノートがレガートで入力されている間は、スライド奏法が維持されますが
一度レガートが途切れると直前に使用されていたアーティキュレーションに戻ります。
なお、キースイッチの入力ベロシティが強いと、スライド後のフレット位置に合わせてフレットポジション(Capo Logic)が移動し、
キースイッチの入力ベロシティが弱いと、現在のフレットポジションが維持されます。
つまり、”キースイッチのベロシティ値によってフレットポジション(Capo Logic)を部分的に制御出来る”という事になります。
【POINT】
3フレット以上のスライドを行う場合は、レガートで入力された2音目の入力ベロシティ値によってスライドのスピードを調整できます。
2音目のノートのベロシティ値が高いほどスライドも早くなります。
F0: HP(ハンマリングオン/プルオフ)
F0を入力後、対応レンジ内で同一弦上のMIDIノートが重なって入力すると、2つのノート間をハンマリング、プリングによって発音されます。
なお、キースイッチの入力ベロシティが強いと、ハンマリング、プリング後のフレット位置に合わせてフレットポジション(Capo Logic)も移動します。
キースイッチの入力ベロシティが弱いと、現在のフレットポジションが維持されます。
各種設定項目について
ここからは、Mainモードで設定出来る各種設定項目について説明していきます。
1. Accentuate Mode
キースイッチで”サスティン”を選択時
ベロシティ値が127で入力された場合、ピンチハーモニクス(ピッキングハーモニクス)か通常のピッキングにするかを選択できます。
2. サウンドモード
ステレオマイク、DIからサウンドソースを選択できます。
3. DI, Stereo, Master
DI、Stereo、Masterそれぞれのサウンドソースのボリューム調整が行えます。
4. パン
Ample Guitarから出力されるサウンドのパンニングが行えます。
DAW側でパンの設定を行うことがほとんどかと思いますので、基本的にはセンターに設定すれば問題ありません。
5. ダブル
疑似的に2本のギターを重ねた、ダブリング効果を適用出来ます。
ON,OFFの設定および、ダブリングのステレオ幅の調整が行えます。
6. Capo
カポの設定が行えます。
ここでカポを設定すると、各MIDIノートはそのままに、半音単位で移調されます。
7. Capo Logic Mode
Ample Guitar独自の機能。
Capo Logicは、指定したフレットからポジションの範囲が指定でき
この範囲によって、自動的に最適な弦やポジショニングを検出して出力されます。
弦を指定しないで打ち込んだ場合は、このCapo Logicによって導き出された範囲内で、Ample Guitarが最適な弦を選択してくれるということになります。
コードモードに設定した場合、5フレット分までの範囲でフレットポジションの調整が行われます。
コード演奏や、アルペジオといった、バッキングパートを担当する時に使います。
メロディモードに設定した場合、2オクターブ分の範囲でフレットポジションの調整が行われます。
主に、ソロフレーズを使用する時はこのモードにするとローポジションからハイポジションまで使ったフレーズで演奏出来ます。
【POINT】
Capo LogicはB6にキースイッチがとしてアサインされていますので、MIDIで指定することも可能です。
B6のベロシティが64以上にするとコードモード。
B6のベロシティが63以下にするとメロディモードに設定できます。
8. FSR(フレットノイズサウンド)
音を切る時のフレットノイズの音量調整が行えます。
アンプやエフェクターなどで深めの歪み設定をしているとき、リリース時に、よくハーモニクスのようなノイズが発生することがあるかと思います。
このパラメーターでは、リリース時に発生するノイズの量を調整できます。
9. Play mode switch
Play mode switchでは、以下の3種類の演奏モードに切り替えることが出来ます。
【注意!】
SOLO MODEを適用した場合、Auto Legatoが無効になります。
10. Open String First
Open String Firsを有効にすると、ハイポジションで演奏しているフレーズの中に開放弦で発音可能なノートがある場合
開放弦を優先的に採用してくれるようになります。
【POINT】
D#6ノートでリアルタイムに切り替えることが可能です。
D#6のベロシティが64 以上にするとON
D#6のベロシティが63 以下にするとOFFになる
11. Auto Legato Mode Switch
2つのノートが重なって打ち込まれた場合、レガートを自動的に行うか、ハンマリング、プリングを行うか、通常のピッキングで行うかの設定が可能
無効に設定した場合は、通常のピッキングで演奏されます。
12. Stroke Noise
ストローク時に発生するノイズの有無を設定できます。
細かく再現するために必要な知識
ここからは、Ample Guitarでより細かく再現するために必要な知識を紹介します。
弦指定のやり方(String Force)
String Forceは、6弦~1弦をそれぞれG0からC1のキースイッチによって割り当てられています。
いずれかの弦を指定するString Forceキースイッチがトリガーされた後、その弦で演奏可能な音階で入力された1音目のMIDIノートにのみ、弦指定が適用できます。
尚、String Forceは、キースイッチの入力ベロシティが強いと
指定した弦で演奏するフレットの位置に合わせてフレットポジションも移動してしまいますので注意してください。
Capo Force キースイッチ(Capoman)
Capo Forceのキースイッチを使用することで、演奏したいフレーズのフレットポジションを指定することができます。
Capo ForceはC#1にアサインされており、演奏に使用するフレットポジションを指定することができます。
Capo Forceキースイッチを入力すると E1以降のキーが黄色に変化し、0フレットから最大18フレットまでのフレットポジションを指定できます。
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